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ラヴェンダーの香る修道院 2)

修道院について

さて、ここで修道院について触れておきたい。このことはこのセナンク修道院
を述べるに当たって非常に重要であるからである。

前回、厳しい環境こそシトー派修道院の生まれた一つの要素であると
述べました。セナンク修道院はその典型的な例である(前の記事を参
照下さい)。

セナンクは、シトー派の修道院であるが、もう一つ同じシトー派修道院
を訪ねることにしたい。

フォントネー修道院(仏・ブルゴーニュ)


(1147年に完成したシトー派修道院の最も古い建築の一つ。
なんの装飾もないこの建物のシンプルな壁面に注意)

その泉
(この泉はフォントネーの前庭にある。フォントネーとは泉が
語源 )

この二つの画像を見てなんだ普通の教会と泉ではないかと思われるでしょう。
しかし、この泉もシトー派の生まれた環境の二つ目の要素なんです。

1)厳しい環境(谷など)
2)川や泉

今野国雄さんは、シトー派の修道院はフォンテーヌ(泉)とかヴォー(谷)という
語尾や接頭語の名のついた修道院が多いと書いておられるが、同氏は又
シト-派は水流や水源の存在に気を配ったと述べています。
この2例(セナンク、フォントネーはその典型である。シトー派については追々
述べることにしたいと思います。

私はこのブルゴーニュにあるフォントネー修道院は数年前の冬に訪ねましたが
張り詰めた空気、その凛とした雰囲気に冬だったこともあり圧倒されたことを
記憶しています。修道院は冬こそ訪ねるにふさわしい季節かもしれないと
思ったことだった。

私の記事によく感想をいただいているty-orthoさんがセナンクの記事で
ストイックな感じを受けるとコメント頂きましたが、まさにこのフォントネー
修道院はその典型であるかもしれません。
(参考:今野国雄・修道院・岩波)
(尚、ty-orthoさんの楽しいブログは
http://blog.so-net.ne.jp/dotounorakugaki/


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uminokajin

時間の経過とともに、こうした佇まいになったという
わけではないのですね。
by uminokajin (2006-10-06 11:33) 

イソップ

「荘厳」とはほど遠い外観ですが、こちらには素朴な良さがありますね。
by イソップ (2006-10-06 17:43) 

ty-ortho

いや〜、yokuさま!御紹介頂いて恐縮です。
ありがとうございました。
なんと、セナンク修道院って、シトー派修道院だったんですか!
へ〜、これがシトー派。教科書では、修道院の開墾
する人たちの象徴みたいに扱われて出てくるんですよ!
黙々と開墾している修道院僧達が見えるようです。
昔かいた落書きをアップしましたので、御来訪お持ちします。
by ty-ortho (2006-10-06 23:34) 

是非行ってみたいです
by (2006-10-07 00:00) 

Pirvs Lvdens

シトー会聖堂のあまり知られていない、しかし際立った特徴に異常なくらい長い残響音があります。残響音はサントリーホールで約2秒、オペラ劇場はそれでは長いので1〜1.5秒となるよう設計されています。ロマネスクの一般的な聖堂は5〜6秒ですがシトー会聖堂は9〜14秒もあります。

これだけ長いと聖歌を歌ったとき、前のフレーズが重なることになり、テンポを適切にとるとたった一人で輪唱(専門家は録音を聴いて「完全な一度の平行カノンができている」と言ってました)ができます。
おそらく、シトー会典礼上の要請からこのような残響音になるよう設計されていると思いますが、直接証明できる資料がないのであまり研究されていません(その代わり純正律とシトー会聖堂の比例関係については研究されています)。

アンサンブル・オルガヌムという有名な古楽アンサンブルはセナンクを本拠地においていますが、残念ながら本拠地で歌った演奏はまだ聴いていません。その代わりナルボンヌ近郊のフォンフロワド(残響11秒、ル・トロネはもう少し短いようです)で歌ったシトー会聖歌のCDが出ています。

そのフォンフロワド(冷たい泉)はこれまで訪れた数少ないシトー会修道院です。クレルヴォー(明るい谷)のベルナルドゥスが設立した一つで、「三姉妹」とほぼ同じくらいに聖堂が建てられました。場所が場所だけに(ラングドックはカタリ派の地)、他のシトー会修道院にない波乱の歴史を送り、現在は湖人の所有になっています(フォントネーも確か個人所有だったと思います)。

フォンフロワド
http://homepage.mac.com/pirvs/sh/0201/Pyr020183.html

例によって、修道院の裏手に梨の木があり、形のよい梨がなっていました。

クレルヴォーのベルナルドゥスに関して
http://homepage.mac.com/pirvs/sh/0201/Pyr120110.html
by Pirvs Lvdens (2006-10-07 01:29) 

seedsbook

こんにちは。
フランスの修道院、教会。。行って見たくなってきます。
去年はケルンのロマネスク教会めぐりをはじめ、まだそれさえも終えていない。
シトー派の修道院の話を書いたものがありますので(といってもくわしい事を書いているわけではありません。ただの記録です)TBさせていただきます。
by seedsbook (2006-10-07 01:57) 

yoku

uminokajin様
環境が先にあったような気が致します。
つまりシトー派はそんな、厳しい場所(都市から離れた)
場所を選んだと思われます。
by yoku (2006-10-07 03:12) 

yoku

Plot様
niceありがとうございます。
先日はこちらこそ展覧会ありがとうございました。
銀座という場所柄、敷居が高いのでは(笑)と思いましたが
そんなことは、全然なく極く自然に観ることが出来ました。
by yoku (2006-10-07 03:17) 

yoku

イソップ様
そうですね、なんの装飾もありませんし
素朴感は否めませんが、味わい深い
と思います。
by yoku (2006-10-07 03:21) 

yoku

ザッキー様
フォントネーはパリからもそれほど遠くありませんし
訪ねるのに便利な場所です。環境は抜群(シトー派の
修道院を考える意味でも)でした。
by yoku (2006-10-07 03:25) 

yoku

by-ortho様
教科書はまったく記憶にありませんが(ほとんど
勉強しなかった((笑))。新しい記事に後ほど
寄らせて頂きます。
by yoku (2006-10-07 03:28) 

yoku

Lapis様
niceありがとうございます。
by yoku (2006-10-07 03:30) 

yoku

Pirvs Lvden様
残響音のことはまったく知りませんでしたが、
池上さんという方が著書の中で、ロマネスク期の
思考について「音楽」から着手するのも一つの
見識であるかも知れないと述べています。
その音楽については、ほとんど知識はありませんが
ヨーロッパの教会(特にパリなどでは盛んに演奏される)
ではよく演奏会が催されますね。いつかセナンクで
聴きたいものです。クレルヴォーもいつか訪ねて
みたいです。
by yoku (2006-10-07 03:48) 

yoku

seedsbook様
TBありがとうございます。私はこれは今もって
やり方がわかりません(笑)
山間の大聖堂は味わい深いですね。手元にある
亀井勝一郎が著書のなかで、「古寺の風光の中でも
私が愛するのは塔の遠望である」と述べていますが
同感です。私は、特にピレネーでその感を深くしました。
これからも訪ね歩こうかと思っています。
by yoku (2006-10-07 03:58) 

yoku

Pirvs Livden様
追伸
上記のHP拝見しました。
ベルナルドウスの挿話は有名ですね。
彼のクリュニー会系修道院柱頭批判の痛烈さ
を想起させてくれます。
それから、彼はヴェズレーでも(十字軍遠征について
)演説したことを何かで読んだ記憶があります。
尚、1年前アルビを歩きましたが(二回目)、感慨
深いものがありました。詳しいお話ありがとうございます。
by yoku (2006-10-07 04:30) 

yoku

seedsbook様
追伸
私の記事にコメントを寄せていただいたPirvs livde様の
HP(上記)はベルナドウスのくわしい話が出てきます。
その他、ロマネスクの記事など本当に勉強させて頂いて
おります素晴らしいHPです。。どうぞ伺ってみて下さい。
ありがとうございます。
by yoku (2006-10-07 05:52) 

yoku

lily様
はじめまして、nice有難うございます。
lily様の記事にもゆっくり寄らせて頂きます。
by yoku (2006-10-07 12:14) 

Pirvs Lvdens

ベルナルドゥスの評価は高いのですが、異教徒に対しては偏狭なくらい断固たる態度をとりました(異教徒は文句なく武力で殲滅すべき)。
今日のヨーロッパとイスラムの情勢を見るにつけ、このことだけがたいへん残念に思います。

『弁明』は最新の研究によるとクリュニー会の内部改革を進めていた院長ペトルス・ウェネラビリス(尊者ピエール)の要請によりベルナルドゥスが執筆したのだそうです。この事情を頭に入れて『弁明』を読むと、見方が変わってきます。
ペトルス・ウェネラビリスはベルナルドゥスとは逆に異教徒に対して寛容で、「相手の言葉で(武力を用いずに)福音を伝える」方針からトレドに翻訳センターを開き、それが後のスコラ学派の成果につながっていきます。ベルナルドゥスが目の敵にしたペトルス・アベラルドゥス(アベラール)を亡くなるまで親身に保護したのもこの人でした。音楽マニアでクリュニーの内陣に「グレゴリオ聖歌の八音」という美術史上初めて音楽を彫刻した柱頭(現存)をおいたことも知られています。

ロマネスク聖堂の音を伝えるCDをまとめてあります。
場所柄、オルガンや聖歌が多いです。
現地でしか売っていないもの(聖堂で売っているのを見つけるのが楽しみの一つ)や廃盤のものも多いですがご参考にしてください。
http://homepage.mac.com/pirvs/sh/0201/Pyr020150.html
by Pirvs Lvdens (2006-10-08 00:47) 

am

こんにちは。ときどき拝見しておりました。シトー会について以前から興味がありましたので(でも自分ではなにも勉強していない)、くいいるように画像を見ています。水流のこと、Oirvsさまのコメントにある音響のこと、ヤッホー!といいたくなるくらいの興味深いお話です。どうもありがとうございます。これからもすてきな画像を楽しみにしております。
by am (2006-10-09 20:21) 

kimuko

シトー派といえば「土木工事のプロ」、というイメージがあります。聖ベルウナルドゥス(フランスではサン・ベルナール、ちなみにこの名前の付いたアルプスの峠で活躍した犬がセント・バーナードですね)はアイルランドとも関わり合いのある巨人です。
by kimuko (2006-10-11 01:25) 

yoku

Pirvs lvdens様
出かけており、遅くなりました。
今早朝ですが、物音一つしない静朝のなかで
今Livdensさんのお話をゆっくり読ませて頂いて
おります。
「ヨーロッパの知的覚醒」のなかで、こんな話が出てきます。
1146年,聖ベルナールがひのごとき熱弁で説いた第2回
十字軍が危機を克服しようとするが、大きな成功は得られなかった。
このときの遠征が喫した挫折は反省を呼び起こし、当初の異常な
熱狂はもはや再び呼び起こす術もなかった。にもかかわらず、
十字軍の思いは、そのなかでアベラールが生きかつ戦った
西欧キリスト教世界という舞台を決定する要因の一つであり
つづけたのである。
ながくなりましたが、アベラールについての記述で興味ふかい
話の一つではあります。
また、尊者ピエールについては「クリュニーも尊者ピエール
の影響下に、本来の使命ではなかったのだが、しばらくは
抜群の役割を演じた」とあります。私自身は彼の名は何度か
目にしましたが、どんな人かほとんど知りません。これから
勉強したく思います。
確かに、ベルナルドウスの十字軍における行動に違和感を
覚えるのです。尊者ピエールが異教徒に寛容であったという
ことは知りませんでした。
さて、グレゴリオ聖歌については鈴木さんという方の
グレゴリオ聖歌の世界と言う著書に感化されたものです。
もっと知りたいと思っております。なんどかフランスの教会で
モーツアルトなどの演奏会に行きましたが、本当にいいもの
ですね、教会で聞く音楽は、、。ありがとうございます。
by yoku (2006-10-11 05:08) 

yoku

am様
コメントありがとうございます。
非常に励みになります。もし宜しければ
amさんのブログのアドレス教えていただけ
れば嬉しいのですが、、、。是非、お訪ね
したいのです。
by yoku (2006-10-11 05:13) 

yoku

kimco様
コメントありがとうございます。記事はいつも
拝見させていただいております。
犬の話、知りませんでした。
サン・ベルナールは確かに西欧中世の
巨人なのですね。
by yoku (2006-10-11 05:17) 

yoku

Livdens様
追伸
話のなかで、ベルナールとアベラールの話について
落としてしまいました。
両者の関係は興味深いです。ホイジンガは、両者の関係を
二人は憎みあっており、12世紀思想の両極端と述べています。
彼(ホイジンガ)はまた、アベラールの精神は後世のキリスト教とヒューマ
ニストたちの考え方、特にエラスムスのそれと多くの点で驚くほど
接近していると書いています。かれも中世において見落とせない
人物なのですね。
by yoku (2006-10-11 08:04) 

春分

記事は地名などがカタカナ表記でわかりやすいかと思いました。
コメント欄に移動してみると、何だかレベルの高い話になってますね。
少し眺めているうちに、わかることもあるので、これはこれで面白く読んでます。
by 春分 (2006-10-14 14:21) 

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